Rippleが発行する米ドル連動型ステーブルコイン「Ripple USD(RLUSD)」の総供給量が、正式リリースから2か月で1億2000万RLUSDに達した。当初はEthereum上での成長が顕著だったが、現在では取引手数料の低さからXRP Ledger(XRPL)上での流通が拡大している。このRLUSDの急速な普及は、XRPの流動性向上や価格動向にも影響を及ぼす可能性があると専門家は指摘している。一部のアナリストは、2026年までにXRPの価格が最大8.40ドルに達する可能性があると予測しており、RLUSDの成長がXRPの価値向上に寄与するとの見方が広がっている。

RLUSDの急成長が示す市場ニーズと今後の展開

Ripple USD(RLUSD)の総供給量が1億2000万RLUSDを突破したことは、ステーブルコイン市場における新たな潮流を示している。ステーブルコインは、暗号資産の価格変動リスクを抑えつつブロックチェーンの利便性を享受できる点で注目を集めている。RLUSDは、その需要を反映する形で急成長しており、短期間で複数のプラットフォームに上場されたことも、市場の関心の高さを裏付けている。

特に、EthereumからXRP Ledger(XRPL)への流通拡大は興味深い。Ethereumはスマートコントラクト機能に優れたブロックチェーンだが、高いガス代が課題とされてきた。一方、XRPLは取引手数料の低さと高速処理が強みであり、RLUSDの移行はこうしたコスト面の利点を考慮した結果と考えられる。Rippleが実世界資産(RWA)のトークン化を推進する中で、XRPLがより多くのステーブルコインの発行プラットフォームとして採用される可能性もある。

加えて、規制の観点からもRLUSDの展開は注目に値する。ニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)の規制をクリアしていることで、従来の暗号資産よりも信頼性が高いと評価されやすい。このような背景を踏まえると、RLUSDの普及は今後も加速し、さらなる取引所や金融機関との統合が進む可能性がある。ただし、規制環境の変化や競合する他のステーブルコインとの関係性が、今後の成長に影響を与える要因となるだろう。


XRP価格への影響と市場の反応

RLUSDの供給量拡大とXRP Ledgerでの流通拡大は、XRPの価格にも影響を与えると考えられている。ステーブルコインの普及は流動性の向上につながるため、XRPエコシステム全体の活性化につながる要素が多い。特に、RLUSDのXRP Ledgerでの展開は、トークン化された資産や決済手段としての用途拡大に寄与する可能性があり、XRPの需要増加につながると予測される。

現在、XRPの市場価格は2.64ドルで推移しており、過去24時間で3%の下落を記録した。しかし、短期的な価格変動は暗号資産市場全体のトレンドに左右される側面が強く、RLUSDの成長がXRPの長期的な価格上昇を支えるかどうかは慎重に見極める必要がある。一方で、大口投資家(クジラ)の動向は市場のセンチメントを反映する指標の一つとなっている。過去のデータでは、クジラがXRPを大量に保有し続けることで、価格の安定性が保たれる傾向が見られる。

アナリストの間では、XRPの将来的な価格予測に関する議論が活発化している。中には、2026年までにXRPが8.40ドルに達する可能性があるとする意見もあり、歴史的な価格上昇を期待する声もある。ただし、こうした予測は市場環境や規制、マクロ経済の動向など、複数の要素に影響を受けるため、確実性を持つものではない。今後の市場動向を注視しつつ、慎重な判断が求められる局面にある。

Source:CoinGape