イーサリアム(ETH)は短期的な強気トレンドの中にあり、3月には史上最高値を更新する可能性が高いとアナリストが指摘している。現在の価格上昇は「蓄積と拡張」のパターンに沿って進行しており、3,800ドルを突破すれば4,000ドル超えが視野に入る。加えて、機関投資家の買い増しや大口投資家の押し目買いが価格上昇の後押しをしている。

一方で、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策やインフレ指標の動向が市場の変動要因となる可能性もある。市場の強い需要が続けば、イーサリアムは2025年第1四半期末までにさらなる高値を目指す展開が予想される。

イーサリアムの価格上昇を支える市場要因とは

イーサリアム(ETH)の急騰は単なるテクニカルな動きにとどまらず、複数の市場要因が絡み合いながら進行している。特に、機関投資家の買い増し、マクロ経済の影響、そしてオンチェーンデータが示す需給バランスが価格の押し上げに寄与している。

現在、ETHの価格推移に最も影響を与えているのは機関投資家の動向である。Finboldの報道によると、ドナルド・トランプの関連企業「World Liberty Financial(WLFI)」は、4億2,000万ドル以上のデジタル資産を保有し、そのうち2億1,000万ドルがETHである。このような資本力のある投資家が市場に参入することで、流動性が高まり、価格の安定と上昇が促進される。

一方、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策もETHの価格形成に影響を与えている。最近の政策会合では金利の据え置きが決定され、市場全体が安堵感を示した。この決定が仮想通貨市場の回復を後押しし、ETHの上昇トレンドを強めたと考えられる。加えて、今後発表される米国の個人消費支出(PCE)価格指数の結果次第では、さらなる資金流入が期待される。

また、オンチェーンデータはETHの需要増加を示唆している。仮想通貨アナリストのAli Martinez氏によると、最近の価格下落時にクジラ(大口投資家)が10万ETH以上を購入しており、市場の押し目買い意欲が高まっていることがわかる。この動きが続く限り、ETHの価格はさらに強気な展開となる可能性がある。

テクニカル分析が示すイーサリアムの今後の価格動向

ETHの価格上昇はテクニカル分析においても裏付けられている。現在の値動きは「蓄積と拡張」のパターンに沿って進行しており、これが継続すればさらなる価格上昇が見込まれる。

このパターンでは、一定期間の横ばい推移(コンソリデーション)の後に急騰し、新たなトレンドが形成される。現在のETHはまさにこの拡張フェーズにあり、3,800ドルを突破すれば短期間で4,000ドルを目指す展開が考えられる。仮にこの水準を超えれば、2月中には4,500ドル、3月には史上最高値の4,878ドルを更新する可能性がある。

さらに、ETHの移動平均線(MA)や相対力指数(RSI)などの指標も強気のシグナルを示している。特に、50日移動平均線を上回る動きを維持しており、これはトレンドの継続を示唆する要因の一つだ。加えて、RSIが買われ過ぎの領域に達していないことから、現在の上昇は過熱感が少なく、持続可能な上昇である可能性が高い。

ただし、ETHが短期間で急騰した場合、一時的な調整が発生することも考えられる。市場参加者の心理的な節目となる4,000ドルや4,500ドルでの利益確定売りが価格を押し下げる可能性があり、短期的な調整局面が生じることは念頭に置くべきだろう。

市場環境とETHの今後の展望

ETHの価格動向は単独の要因だけで決まるものではなく、グローバルな市場環境とも密接に関係している。特に、FRBの金融政策やインフレ指標の変化が、今後の価格形成に大きな影響を与える可能性がある。

現在、FRBは金融引き締め政策を一時停止しており、市場はこれを好感している。金利の据え置きは、株式市場や仮想通貨市場にとってプラス材料となるため、ETHにも資金が流入しやすい状況が続いている。しかし、今後のインフレ指標が予想以上に高かった場合、FRBが利上げに踏み切る可能性もあり、これがETHの価格に影響を与える可能性がある。

また、ETHのブロックチェーン技術自体も進化を続けている。イーサリアムの次期アップデート「Dencun」では、ガス代の削減やトランザクションの効率向上が期待されており、これが実装されればさらなる需要拡大につながる可能性がある。特に、レイヤー2ソリューションの発展が進めば、企業や開発者がETHを利用する機会が増え、価格の安定性が高まることが予想される。

総じて、ETHの今後の展開は強気のシナリオが優勢であるものの、外部環境の変化に注意を払う必要がある。短期的な調整があっても、長期的には市場の成長とともにETHの価値も高まる可能性が高いだろう。

Source:Finbold