Bitwiseは2025年3月5日、米国証券取引委員会(SEC)にAptos(APT)ETFの上場を目指しS-1申請書を提出した。このニュースを受け、APTトークンは1時間で7%急騰し、発表前の$6.06から$6.50に上昇した。

提出された申請書によると、このETFの純資産価値(NAV)は「CF Aptos-Dollar Settlement Price」に基づき、Coinbaseがカストディアンを務める。また、ETFは現金決済型で運用され、10,000株単位で作成・償還される仕組みが採用される。

Bitwiseは2024年にスイスでAptosのETPを立ち上げており、今回の米国でのETF申請はその延長線上にある。2024年末以降、仮想通貨ETFの申請が相次いでおり、ドージコインやソラナなど他の銘柄も審査対象となっている。仮想通貨市場の制度化が進む中、SECの判断に注目が集まる。

BitwiseのAptos ETFがもたらす市場への影響

BitwiseがSECに提出したS-1申請書によると、Aptos ETFは「CF Aptos-Dollar Settlement Price」に基づいて評価され、Coinbaseがカストディアンを務めることになる。さらに、このETFは現金決済型で10,000株単位の取引となる。これはAptosの価格に直接連動する仕組みであり、機関投資家にとっての新たな投資手段となる可能性がある。

APTトークンは、このニュースを受けて1時間で7%急騰し、発表前の$6.06から$6.50に上昇した。仮想通貨市場では、ETFの申請や承認が価格変動の要因となることが多く、今回の動きもその一例といえる。特に、ETFのS-1提出は承認を保証するものではないが、市場の期待を反映する形で価格が動いたと考えられる。

BitwiseはすでにスイスのSIX取引所でAptosのETPを展開しており、今回の米国市場への展開は、その流れを踏襲するものだ。これにより、Aptosの流動性が高まり、長期的に市場の安定性向上につながる可能性がある。一方で、SECの承認プロセスは慎重に進められるため、短期間での実現は不透明だ。

仮想通貨ETF市場の拡大と規制の行方

2024年末以降、仮想通貨ETFの申請が相次いでいる。BitwiseはAptos ETFのほかにも、ドージコイン(DOGE)のETF申請を行い、さらに10種類の仮想通貨を追跡する指数ファンドの承認を待っている状況だ。その他の運用会社からも、ライトコイン(LTC)、ソラナ(SOL)、カルダノ(ADA)、ヘデラ(HBAR)、XRPのETF申請が提出されており、仮想通貨ETF市場の拡大が加速している。

この背景には、ドナルド・トランプ大統領の再選による政策変化への期待がある。トランプ政権は仮想通貨に対して比較的寛容な姿勢を示しており、ETF承認の可能性が高まるとの見方が広がっている。ただし、SECは依然として慎重な姿勢を崩しておらず、各ETFの審査は長期化する可能性もある。

ブルームバーグのETFアナリスト、ジェームズ・サイファートとエリック・バルチュナスは2024年後半に「仮想通貨ETFの承認ラッシュ」が起こる可能性を指摘していた。現状では、その予測が現実に近づきつつある。今後のSECの動向次第では、仮想通貨市場にさらなる資金流入が期待されるが、同時に規制強化のリスクも残されている。

AptosとMoveエコシステムの展望

Aptosは、Meta(旧Facebook)が開発していたLibraプロジェクトの流れをくむブロックチェーンであり、その基盤技術としてMoveプログラミング言語が使用されている。Aptos LabsのCEOであるエイブリー・チンは、今回のETF申請について「Moveエコシステムにとっての大きな第一歩」とコメントしており、開発者コミュニティの成長にとっても重要な意味を持つと考えられる。

Moveは、セキュリティとスケーラビリティを重視したスマートコントラクト言語として設計されており、他のブロックチェーンとは異なるアプローチを取っている。Aptosのネットワークは高い処理能力を誇り、既存のEthereum系プロジェクトとは一線を画すものだ。こうした技術的特徴が、Aptosの将来的な成長に寄与すると期待されている。

しかし、Aptosは競争の激しいレイヤー1ブロックチェーン市場に属しており、SolanaやEthereumといった既存の大規模ネットワークと競争しなければならない。また、ETFの登場がAptosの採用を直接促進するかは未知数であり、実際の資金流入がどれほどの規模になるかが鍵となる。ETFが承認されれば、Aptosの認知度向上につながる一方で、ネットワークの実用性が市場で評価され続ける必要がある。

Source:CryptoSlate