ストラテジー社(旧Microstrategy)は、最新の米国証券取引委員会(SEC)提出書類で、保有するビットコインが 478,740 BTC に達していることを公表した。取得額は 約311億ドル で、平均取得価格は1 BTCあたり 65,033 ドル となる。市場の変動が続く中、同社はビットコイン戦略を継続する姿勢を示した。

2月10日から2月17日の間、新規購入は行われず、転換社債の償還が進行中であることも明らかになった。エグゼクティブ・チェアマンのマイケル・セイラーはSNS「X」で、長期的なビットコイン戦略に対する強い意志を改めて強調した。

ストラテジー社のビットコイン戦略が持つ市場への影響

ストラテジー社が大規模なビットコイン保有を継続することは、暗号資産市場全体に影響を及ぼす要因の一つとなっている。ビットコインの価格は企業や機関投資家の動向によって大きく変動する傾向があり、同社の戦略は市場参加者の心理にも影響を与えている。特に、同社の追加購入の有無は短期的な価格変動の要因となり得る。

また、ストラテジー社の持ち株比率が増加することで、機関投資家によるビットコインの保有が拡大する可能性も指摘されている。これにより、暗号資産市場はより制度化が進み、伝統的な金融市場との結びつきが強まる可能性がある。一方で、大規模な保有が市場のボラティリティを高める要因ともなり得るため、他の市場参加者は慎重な判断を求められる状況となっている。

加えて、ビットコインの価格が今後上昇した場合、ストラテジー社の企業価値や株価にも影響を与えると考えられる。過去にも同社のビットコイン取得が市場の注目を集め、株価の上昇を後押しした事例があるため、今後の展開にも関心が寄せられている。


転換社債償還の影響と財務戦略の変化

ストラテジー社が進める 2027年満期の転換社債償還 は、同社の財務戦略において重要な局面となっている。10億5000万ドルの未償還分を全額償還することで、負債構造の変化が生じ、企業の資本政策にも影響を与えることになる。

特に、2月14日までに 6,022,026 株のクラスA普通株式が発行された ことは、既存株主への影響も含めて市場の関心を集めている。転換社債の償還により、同社の財務基盤が強化される可能性がある一方で、新規発行された株式の影響による株価の変動リスクも無視できない。

また、同社がこの償還を完了することで、将来的な資金調達の手段がどのように変化するかも注目される。今後もビットコインを活用した財務戦略を維持するのか、それとも新たな資金調達方法を模索するのかによって、同社の成長戦略は大きく変わる可能性がある。


マイケル・セイラーの価格予測と市場の見解

ストラテジー社のエグゼクティブ・チェアマンである マイケル・セイラー は、ビットコインの未来について一貫した強気姿勢を示している。彼の見解では、2045年までに1,300万ドル に達する可能性があるとしており、これが実現すれば現在の価格から飛躍的な上昇となる。

しかし、市場ではこの予測に対して様々な意見が交錯している。ビットコインの成長性を評価する専門家もいる一方で、規制の強化や市場環境の変化が今後の価格推移に影響を与える可能性も指摘されている。特に、政府による暗号資産への規制強化や、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の普及がビットコイン市場に及ぼす影響は未知数である。

また、ビットコインの供給量が有限であることを考慮すると、需要が拡大すれば長期的な価格上昇の可能性はある。ただし、短期的な価格変動が激しい資産であるため、投機的な動きによる影響も無視できない。今後の価格推移を予測するうえで、セイラーの発言だけでなく、マクロ経済の動向や規制の変化にも注目する必要がある。

Source:Bitcoin News