ビットコインは現在、9万7,000ドル前後で推移している。2月5日には一時9万5,000ドルまで下落したが、その後9万7,000ドル台で安定している。米国雇用統計の発表を控え、投資家は慎重な姿勢を見せており、リスク資産への資金流入が抑制されている状況だ。

一方、2月5日に中央集権型取引所から約1万7,000BTC(約16億ドル相当)が流出しており、大口投資家が現在の価格帯を買い場と捉えている可能性がある。市場は今後の経済指標や政策動向に注目しており、ビットコインの価格動向は引き続き不透明感が漂っている。

ビットコインの価格推移と市場の反応

ビットコインは過去24時間で95,850ドルから99,131ドルの範囲で変動し、市場のボラティリティが依然として高い状態にある。2月6日時点の時価総額は1.917兆ドルに達し、取引量も475.2億ドルを記録している。これは、市場参加者の関心が引き続き高いことを示唆している。

短期的な価格動向をみると、ビットコインは96,000ドル付近のサポートを試しながら、98,500ドルのレジスタンスラインを突破するかどうかが注目されている。特に、過去最高値から11%の下落が続く中、投資資金の流入が減速している可能性がある。一方で、日中の価格変動幅が3,281ドルと比較的大きく、機関投資家や短期トレーダーの取引が活発であることも窺える。

市場の反応として、テクニカル指標の多くが弱気を示唆している。MACD(移動平均収束拡散)は-348とネガティブで、50期間のEMA(指数平滑移動平均)やSMA(単純移動平均)が売りシグナルを発している。これに対し、CCI(商品チャネル指数)は-138と、短期的な買いのシグナルが点灯しており、一部の市場参加者は押し目買いの機会をうかがっている状況だ。

テクニカル分析が示す今後のシナリオ

短期的には、95,500ドルから96,000ドルのサポートラインが市場の注目ポイントとなる。これを維持できれば、ビットコインは98,500ドルから100,000ドルのレンジを試す展開となる可能性がある。この水準を超えれば、再び105,000ドルから109,000ドルのレジスタンスを目指す動きが見込まれる。一方で、95,000ドルを割り込むと、94,000ドルまでの調整が進み、さらに91,500ドルから92,000ドルのゾーンに向けた下落も考えられる。

日足チャートでは、100,000ドルの心理的節目を超えられるかが重要なポイントとなる。直近の109,356ドルの高値を超えれば、強気相場への復帰が期待されるが、100,000ドルで上値を抑えられる場合、売り圧力が強まり、89,000ドル付近への下落リスクが浮上する。

また、オシレーター系の指標をみると、モメンタム・オシレーターは-5,318で、楽観的な兆候を示しつつも勢いは限定的である。これにより、市場は短期的な方向感を探る展開が続くと考えられる。

外部要因とビットコインの中長期的展望

市場環境を左右する要因として、米国の金融政策が重要な鍵を握る。現在、米連邦準備制度理事会(FRB)は利下げの可能性について慎重な姿勢を崩しておらず、インフレ指標や雇用統計の結果次第では市場に大きな影響を与える可能性がある。特に、金利が高止まりする場合、リスク資産であるビットコインの上値は重くなる展開が想定される。

一方で、機関投資家の参入が進んでいることは、ビットコイン市場の安定要因となる。2月5日に中央集権型取引所から1万7,000BTC(約16億ドル相当)が流出したことは、大口の資金が長期保有目的で動いている可能性を示唆している。この動きが続けば、供給量の減少が価格を押し上げる要因となるかもしれない。

中長期的には、ビットコインの半減期(ハルビング)が近づくことで、市場の需給バランスに変化が生じることが予想される。過去のハルビング後には価格の上昇が見られたが、今回はすでに市場に多くの期待が織り込まれているため、上昇のタイミングや幅は慎重に見極める必要がある。

ビットコイン市場は引き続き不透明感が漂うが、短期的なサポート・レジスタンスの攻防が今後の価格動向を決める重要なポイントとなる。政策や需給の変化を注視しながら、適切な判断が求められる局面が続いている。

Source:Bitcoin News