ブルームバーグのアナリストが、Solana(SOL)、XRP、Dogecoin(DOGE)、Litecoin(LTC)のETF(上場投資信託)の承認確率について予測を発表した。彼らの見解によると、Solana ETFの承認確率は70%、XRPは65%、Dogecoinは75%、Litecoinは90%と推定されている。
特に、Litecoinの承認確率が最も高い理由は、SEC(米国証券取引委員会)がすでに証券ではないと分類しており、ETF提供を申請している企業も複数存在するためだ。一方、XRPの承認確率が低い背景には、SECとRippleの訴訟が継続中であることが影響している。
さらに、SECの方針に影響を与える可能性がある新議長の承認プロセスも焦点となっている。次期議長候補のポール・アトキンスが就任するまでには時間がかかる可能性があり、これがXRP ETFの承認時期にも影響を及ぼすとみられる。
Solana ETFの承認確率が高まる背景と市場の期待

Solana ETFの承認確率は70%と予測されているが、その背景には仮想通貨市場におけるSolanaの存在感の高まりと、SECの規制動向が関係している。Solanaはその高速トランザクション処理能力と低コストの取引手数料により、DeFi(分散型金融)やNFT市場で広く利用されている。これにより、多くの機関投資家が注目する銘柄となっており、ETF承認への期待が高まっている。
また、SECが19b-4の申請を正式に受理している点も注目すべきポイントだ。19b-4はETFの承認申請における重要なプロセスであり、これが受理されることは規制当局が本格的に審査を進めていることを示唆する。このため、Solana ETFの承認は他のアルトコインよりも優位に進む可能性があると見られている。
一方で、Solanaが証券に該当するかどうかの判断は依然として議論の的となっている。SECはこれまで複数の仮想通貨を証券として分類し、規制を強化してきたが、Solanaについては明確な立場を示していない。もしSECがSolanaを証券と見なした場合、ETFの承認プロセスは複雑化し、承認時期が遅れる可能性がある。しかし、Solanaがこれまでの市場成長を維持し、機関投資家の関心を集め続ける限り、SECが市場の需要を考慮して承認へと動く可能性は十分にある。
Dogecoin ETFの高い承認確率と規制当局の判断
Dogecoin ETFの承認確率は75%と見積もられており、これはXRPやSolanaよりも高い水準だ。その理由として、SECがDogecoinを証券ではなく「コモディティ(商品)」と見なす可能性が高い点が挙げられる。これまでのSECの動きを見る限り、証券と認定された仮想通貨は規制の対象となりやすいが、コモディティとして扱われる場合は比較的ETF承認のハードルが低くなる傾向がある。
さらに、Dogecoinはビットコインと同様に中央管理者を持たず、分散型ネットワークとして機能しているため、規制当局が証券と分類しにくいという側面もある。実際に、Litecoinも同様の理由で「証券ではない」と判断されており、Dogecoinの立場もそれに近いと考えられている。
ただし、Dogecoinの価格変動の激しさや、ミームコインとしての性質が規制当局にどのように影響を与えるかは不透明だ。これまでDogecoinはイーロン・マスクの発言によって大きく価格が変動することが何度もあり、その投機的な側面がETFの安定性にどのような影響を与えるのかが議論されている。
それでも、Dogecoin ETFが承認されれば、アルトコイン市場全体の流動性が向上し、他の仮想通貨ETFの承認に向けた前例となる可能性がある。これは、規制当局が仮想通貨市場をより成熟した金融商品として認識するかどうかの重要な試金石となるだろう。
XRP ETFの承認が長期化する可能性とその影響
XRP ETFの承認確率は65%と、他の銘柄と比較して最も低い水準に設定されている。その最大の要因は、SECとRipple社の訴訟が続いていることにある。この訴訟はXRPが証券に該当するかどうかが争点となっており、SECがXRPを証券と認定すればETFの承認はさらに遠のくことになる。
現在、法務専門家の間でもこの訴訟の行方について意見が分かれている。ジェレミー・ホーガンは、Ripple社の訴訟が解決しない限りXRP ETFの承認は難しいとの見解を示しており、またマーク・フェーゲルはSECの次期議長がポール・アトキンスになった場合に訴訟が終結する可能性があると指摘している。しかし、ポール・アトキンスの承認プロセスは米国上院の審査を経る必要があり、短期間で決着するとは限らない。
過去の事例を見ても、SECの議長承認には数カ月の時間がかかることが一般的だ。ゲイリー・ゲンスラーやジェイ・クレイトンのケースでは、それぞれ4~5カ月の期間を要したため、仮にポール・アトキンスが指名されたとしてもすぐに承認されるとは限らない。これがXRP ETFの承認時期に影響を与える可能性は十分にある。
また、XRP ETFが承認されるまでの間、市場は他の仮想通貨ETFへの関心を強める可能性がある。特にSolanaやDogecoinが先に承認された場合、XRP ETFの市場への影響力が相対的に低下することも考えられる。したがって、XRP ETFの承認が長引けば、機関投資家の関心が他の銘柄にシフトし、XRPの市場価値にも影響を及ぼすかもしれない。
このように、仮想通貨ETFの承認プロセスは、規制当局の判断、訴訟の進展、新たな市場動向といった複数の要因が絡み合って決定される。そのため、今後の市場動向を注視しながら、各銘柄の承認プロセスを慎重に見極めることが求められるだろう。
Source:CoinGape