NFTプロジェクト「Doodles」は、Solanaブロックチェーン上で新たな公式トークン「DOOD」を発行する計画を明らかにした。総供給量は100億枚で、そのうち68%がコミュニティに配分される予定である。将来的には、Baseとのブリッジ構築も視野に入れているという。
この動きは、NFT市場におけるDoodlesの存在感をさらに強化し、コミュニティとの連携を深める狙いがあると考えられる。また、他のNFTプロジェクトも独自トークンの導入を進めており、NFT市場全体の活性化が期待される。
「DOOD」トークンの経済設計とその市場への影響

Doodlesが発表した「DOOD」トークンの最大供給量は100億枚であり、その分配計画にも明確な意図がある。68%がコミュニティに割り当てられ、17%はプロジェクトのコアメンバーに、5%は企業準備金として確保される。また、コアメンバーと企業準備金のトークンは1年間ロックされた後、3年間にわたり段階的に解放される。この設計は、初期の投機的な売り圧力を抑え、トークンの安定性を維持する狙いがあると考えられる。
NFT市場では、独自トークンの導入がプロジェクトの評価向上に寄与する例が増えている。過去には「Pudgy Penguins」が独自トークンの計画を発表した際、NFTの取引量が急増し、価格も上昇した。今回のDoodlesの「DOOD」トークンも同様の効果をもたらす可能性がある。事実、発表後24時間以内にDoodlesの最低入札価格(フロアプライス)は16%上昇しており、市場の関心が再燃していることを示している。
一方で、NFT市場全体の低迷が続く中、この動きが長期的な価格上昇につながるかは不透明である。2022年5月にはDoodlesのフロアプライスが20ETHを超えていたが、現在は4.63ETHまで下落している。NFT市場の回復には、単なるトークンの発行だけでなく、持続的なユーティリティの提供が求められる。DOODトークンの実際の活用方法が市場の信頼を得られるかが今後の焦点となる。
Doodlesの戦略とNFT市場の変化
Doodlesはこれまでも著名ブランドやアーティストとのコラボレーションを通じて、NFT市場での影響力を拡大してきた。ファレル・ウィリアムスやアディダスとの提携は、プロジェクトのブランド価値を向上させる要因となった。今回のDOODトークン発表も、その一環としてNFT市場に新たな変化をもたらす動きといえる。
Doodlesのチームは、DOODトークンを通じてコミュニティ主導のエコシステムを構築しようとしている。「分散化の力を活かして文化的な旋風を巻き起こす」という彼らの声明は、単なるNFTプロジェクトではなく、広範なデジタル経済の構築を意識していることを示唆している。今後、DOODトークンがゲーム、メタバース、リアルイベントなどに統合される可能性も考えられ、NFTホルダーにとって新たな価値を生み出すことが期待される。
一方で、NFT市場は現在、大きな転換期を迎えている。かつて「ブルーチップ」とされたコレクションの多くが価格を大幅に下げており、Doodlesもその例外ではない。OpenSeaが「SEA」トークンの計画を発表するなど、市場全体が新たな収益モデルを模索する動きが加速している。NFTプロジェクトが単なるデジタルアートの売買を超え、トークンを活用した持続可能なエコシステムを構築できるかが今後の課題となる。
DoodlesがDOODトークンによって市場の注目を集めたことは確かだが、それが長期的な成功につながるかどうかは、トークンの実用性とエコシステムの拡張にかかっている。
Source:Bitcoin News