XRPは短期的な回復を見せつつも、1.90ドルの重要なサポートラインを巡る攻防が続いている。テクニカル分析ではヘッド・アンド・ショルダーズ(H&S)パターンが形成されており、これが1ドル台への下落を示唆するシグナルとなる可能性がある。
アナリストのアリ・マルティネス氏は、1.90ドルを下回れば売り圧力が加速し、1.10〜1.20ドルまで下落する可能性を指摘。一方、別の専門家は日足RSIやエリオット波動を根拠に、2.33ドル突破で3.39ドル以上の上昇余地を主張している。
市場全体の動向やSEC訴訟の行方がXRPの今後を左右する中、今後の価格推移は1.90ドルの維持と2.33ドルの突破が鍵となりそうだ。
XRPのヘッド・アンド・ショルダーズ形成が示唆する下落リスク

XRPのテクニカル分析では、ヘッド・アンド・ショルダーズ(H&S)パターンが形成されており、これは一般的に弱気のシグナルとされる。アナリストのアリ・マルティネス氏は、1.90ドルのネックラインを下回ると1.10〜1.20ドルまで下落する可能性があると指摘している。H&Sパターンは、3つのピークを持つ形状を形成し、ネックラインを割るとさらなる下落を招くことが多い。
XRPの場合、「頭」となる最高値は3.20ドル、ネックラインは1.90ドルに位置し、これを下回るとテクニカル的に1ドル台前半への下落が視野に入る。特に、1.90ドルの水準を割る際に取引量が急増すれば、売り圧力がさらに強まる可能性がある。過去にも、主要なサポートラインを割った後に急落したケースは多く、今回も同様の展開が考えられる。
一方で、XRPの価格はこれまでにも市場全体の動向に強く影響を受けてきた。ビットコインの価格変動や規制の動きがXRPの下落リスクを強める可能性もある。3月には10億XRPのロック解除が予定されており、市場の供給量が増えることで売り圧力がさらに加速する可能性がある。XRPの価格が1.90ドルを守れるかどうかが、今後の重要な分岐点となるだろう。
強気派は2.33ドル突破に期待 上昇トレンド形成の条件とは
一方で、強気派の分析では、XRPが2.33ドルを超えることで新たな上昇トレンドに入る可能性が指摘されている。匿名アナリスト「Dark Defender」氏によれば、XRPの日足相対力指数(RSI)がダブルボトムを形成し、ゴールデンクロスに近づいているという。これはテクニカル的に買いシグナルとなることが多く、短期的な上昇の可能性を示唆している。
さらに、エリオット波動分析に基づくと、2.33ドルを超えた場合、次の目標は3.39ドル、さらには5.85ドルまで拡大する可能性がある。特に、過去の上昇局面では重要なレジスタンスを突破した後に急騰する傾向があったため、2.33ドルの水準を明確に上回ることが鍵となるだろう。また、SECとリップル社の訴訟が進展し、XRPの規制リスクが低減すれば、機関投資家の資金流入が加速し、価格の安定した上昇につながる可能性がある。
ただし、現在のXRPは2.25ドルで取引されており、短期的には上昇と下落の両方のリスクを抱えている。上昇するためには、まず2.33ドルのレジスタンスを突破し、その後に高値を維持する必要がある。特に、50日移動平均線(2.68ドル)を上回れば、強気のトレンドが本格化する可能性が高まるだろう。XRPが短期的な上昇トレンドに入るかどうかは、今後の価格動向次第といえる。
SEC訴訟とETF承認の行方がXRP市場に与える影響
XRPの価格を左右する要因の一つに、SEC(米証券取引委員会)とリップル社の訴訟がある。この訴訟はXRPが証券に該当するかどうかを争うものであり、最終的な判決次第でXRPの市場価値が大きく変動する可能性がある。Finboldの報道によれば、新たにSECの規制当局者が仮想通貨に対して比較的友好的な姿勢を示しており、和解や訴訟取り下げの可能性も取り沙汰されている。もしSECがリップル社との和解に動けば、XRPの規制リスクが後退し、市場の信頼が回復する可能性がある。
また、XRPのETF(上場投資信託)承認の可能性も市場の注目を集めている。SECは10月中旬までに決定を下す予定であり、承認されれば機関投資家の参入が加速し、価格上昇につながる可能性がある。ただし、SECが厳格な規制方針を継続すれば、XRPの市場環境は引き続き不透明なままとなるだろう。
一方で、3月には10億XRPのロック解除が予定されており、大量の供給増による価格下落の懸念もある。仮に市場の買い圧力が十分でなければ、売りが優勢となりXRPの価格を押し下げる可能性がある。これらの要素が複雑に絡み合う中、XRPの今後の動向はSECの決定と市場の需給バランスによって大きく左右されることになりそうだ。
Source:Finbold