Ripple(XRP)の価格が2025年3月2日に40%上昇し、3ドル目前に迫った。背景には、トランプ大統領がXRPを「暗号資産戦略的準備金」に組み入れる決定を下したことがある。
これにより、XRPは米国政府の公式な暗号資産ポートフォリオに加わり、市場の注目を集めた。一方で、この決定にはビットコイン支持者から強い反発があり、経済学者ピーター・シフ氏がXRPの採用に異議を唱えた。しかし、Cardano創設者のチャールズ・ホスキンソン氏はXRPの技術的優位性を評価し、トランプ大統領の決定を支持している。
市場ではXRPが3ドルを超えれば5ドル到達の可能性も示唆されているが、売り圧力も強まっており、今後の展開が注視される。
XRPの急騰を後押ししたトランプ大統領の決定とその影響

2025年3月2日、XRPは40%の上昇を記録し、3ドルの大台に迫った。この価格急騰の背景には、ドナルド・トランプ大統領がXRPを「暗号資産戦略的準備金」に組み入れる決定を下したことがある。これは米国政府が特定の暗号資産を公式準備金として保有する初の試みであり、市場に衝撃を与えた。
この決定を受け、XRPの需要が急増し、わずか数時間で2.14ドルから3ドル近くまで高騰した。特に、米国政府の関与が示唆されたことで機関投資家の買いが加速し、市場の流動性が急拡大した。また、トランプ政権が今後も暗号資産を積極的に活用する可能性が浮上し、XRPの長期的な価格上昇に対する期待も高まった。
一方で、この決定にはビットコイン支持者を中心に反対意見が相次いだ。経済学者のピーター・シフ氏は「XRPの準備金採用には根拠がない」と批判し、ビットコインのみを国家の準備資産とすべきだと主張した。しかし、Cardano創設者のチャールズ・ホスキンソン氏はXRPの技術的優位性を強調し、準備金としての採用を肯定的に評価している。この議論の行方は、今後の暗号資産市場の方向性にも影響を及ぼす可能性がある。
XRPが暗号資産戦略的準備金に採用された理由とその意義
XRPがトランプ政権の「暗号資産戦略的準備金」に選ばれた理由として、いくつかの要因が挙げられる。まず、XRPは国際送金ネットワークにおいて既に実用化されており、従来の銀行間決済を効率化する役割を果たしている。リップル社はこれまでに世界中の金融機関と提携を進め、クロスボーダー決済の即時処理を可能にする技術を提供してきた。このような実用性が、政府の資産としての信頼性を高めた可能性がある。
また、XRPはビットコインやイーサリアムと異なり、トランザクションの処理速度が速く、手数料が安価である点が特徴である。特に、国家レベルの資産運用において、迅速な決済機能は重要な要素となる。さらに、証券取引委員会(SEC)との長年にわたる訴訟問題が解決したことで、規制面での不確実性が低下し、米国政府にとっても受け入れやすい資産となった可能性がある。
この決定が示す最大の意義は、暗号資産の国家的な位置付けが変わりつつある点である。これまで政府はビットコインを含む暗号資産に対し慎重な姿勢を取ってきたが、戦略的準備金の一部としてXRPを採用したことは、暗号資産が金融システムの一部として認識され始めたことを意味する。今後、他国がこの動きを追随する可能性もあり、国際的な金融政策における暗号資産の役割がより明確になっていくかもしれない。
XRP価格の今後の展開と5ドル到達の可能性
XRPの急騰を受け、市場では5ドル到達の可能性が議論されている。現在の価格推移を見ると、3ドル付近で強い売り圧力が発生しており、一時的な調整が入る可能性がある。しかし、過去2日間で40%の上昇を記録したことから、強気の流れが継続すれば、さらなる価格上昇が期待される。
テクニカル分析では、XRPはボリンジャーバンドの上限(2.99ドル)付近に達し、市場の過熱感が高まっている。短期的には、3ドルを明確に突破し、その水準を維持できるかが重要なポイントとなる。もしこのラインを超えれば、次のターゲットとして3.50ドル、さらには心理的節目である5ドルが視野に入る。ただし、売りが強まれば2.80ドル、場合によっては2.53ドルまでの調整も考えられる。
また、米国政府が今後どのように暗号資産戦略的準備金を運用するかも、XRPの価格に影響を与える可能性がある。特に、米財務省がXRPの追加購入を発表すれば、さらなる買い圧力が発生し、価格上昇を後押しするだろう。一方で、ビットコイン支持者による反発が続けば、市場全体の不安定要因となるかもしれない。
短期的には3ドル付近の攻防が続くと予想されるが、もし強気の勢いが持続すれば、XRPは5ドルに向けた上昇トレンドを形成する可能性がある。市場の動向を注視しつつ、今後の価格変動に備える必要があるだろう。
Source:CoinGape